(永山) 美術館で教育・普及を担当しています。
佐倉市立美術館は今年で開館10周年を迎えます。
開館した最初の夏休みに始まった「体感する美術」を紹介します。
「体感する美術」は、美術・美術館と、まち・人を結ぶ事業として企画されました。
企画・運営にいろんな人に主体的に関わっていただくように進めてきました。
1998年に、市民やアーティストの集まりIFSを立ち上げました。
準備過程も教育・普及活動と位置づけて進めてきましたが、活動できる人は限られているようでメンバーが固定化してきました。
2003〜は、学校の先生など普段美術館へ来ていただけない人もメンバーに加えました。
紙芝居で説明します。
’95 仮囲いの板に美術館で絵を書いて、工事現場で使ってもらいました。
’97 美術館の空き地に作品(タープの屋根と大きなソファー)を作りました。
公開ワークショップ「精霊達の居場所をさがそう」精霊の居場所にふさわしい場所を探しました。
佐倉ヒストリーファイターでは昔の話を聞いたりしました。
’98 親子演劇ワークショップで「ボール無しバスケット」を
さくらんぼネットワークでは近くの布団やさんへ行きました。
’99 「まちの星座を探そう」では、まちの照明を星に見立てて星座を探しました。
捨て看プロジェクトでは看板を作って立てて(持って)見ました。
GoGoさくらランドでは、まちを見学した後ダンボールでほしい施設を作りました。
この中でも自然にお金や軍隊ができました。
まちの気分、空気の色では、まちのあちこちで、気分を表す色を選んでもらいました。
’00 バス停プロジェクトでは、バスの待合室をカラーコーディネートして色を塗りました。
発見!路線バスツァーでは、訪ねた所の広告を作ってバスの広告スペースに張りました。
’02 耳を開いて、風鈴プロジェクトでは、風鈴に絵付けして、耳をつけて町の音を聞き、商店街のあちこちに吊りました。
2003年には商店街が風鈴の絵付けを行いました。
’04 発泡屋台(発泡スチロールのおうち)、さくらテレビ、すごろくライブ(商店街でサイコロの目に従って店を訪ね歩く)、
体感する美術の通信簿を行いました。
10月8〜24日、新町でShow!店街を行っています。
4月29日〜5月2日、まちかどギャラリーを行いました。
最初は木工の会が主催、日常の中に美術の視点を持ち込むことを目標に
・我が家のお宝や技術を展示
・なぜ物が美術館の中に置かれるのかを考えてもらう
第1回をやった時点で、子ども達だけでなく大人も美術に参加できていないと感じて、子どものプログラムを入れながら「アートなまちづくり」という視点を広げようとしている。
明治時代の風景画を見ていて、絵の中の木を現実に発見して美術を感じたり、鍛金を知ることで物のでき方に興味が沸いたりしてくる。
アーティストはボランティアだと言われる。
自分で「やらなければならない」と思って自分からやる。
自分がやりたいことを周りの人を引き込んで実現している。
見る人も自分なりの感性で感じ、意見を言ってほしい。
美術館がそういう場になってほしい。
毎月10日の金毘羅縁日に美術館が関わろうとしている。
子育て交流として中邨さん(木曜の家)とも一緒にやっている。
(新谷) まちかどギャラリー2004で理髪店の菊水堂さんに行った時、店においてもらった岡本太郎の賞を取った人の作品のことが、
ご主人とお客の間で話題になっていた。そういうのがとてもいいと思う。
こういうのは商店街の金毘羅縁日で毎回やってもよいやり方。お店とアーティストを結ぶことができる。
商店街が「何かやってくれる」と受身になってしまっているようなのが気になる。
(永山) IFSと同じようなやり方を商店街の人とやって行きたいが、なかなかそうならない。
(新谷) 「アートを置けますよ!」という発信ができれば、アーティストの方が来るのではないか。
Wi―Canのチャリカフェなどは町の風景を作っていると思う。
(奥津) 永山さんは感覚的なものを言葉にするのが上手。
抽象的なものを伝える手段がアートだと思う。
最初の「この町をどういう風にしたいか」というイメージを形にしたり、人に伝える事にアートの力を期待したい。
すぐに「安全」とか「バリアフリー」とか言うが、感情が入ってないので弊害が出ているときもある。
子どもにすれば、その感情を作る場になる。
(高木) 志津小に子どもに絵を書かせるのが上手い人がいるので、野外に美術館を作ろうと思った。
まちの景観を生活の中に入れて余裕を持たせることを行おうとしている。
空き店舗やシャッターに絵を書こうかなと思う。
たつのこ村の畑の中でお店を作ると、商店街とは別の発想が出るのではないか。
栄町に拠点を作り、てふてふ効果を狙いたい。
〜栄町のシンボルにチョウチョはどうかと考えている。