志津散策の会−2

会長 鈴木壽重、副会長 高山守


(奥津)

まちづくりのエキスパートがやっていても「新しいまちづくり」はできない。
「こどものためのまちづくり」は「お年寄りのためのまちづくり」にもなる。

(鈴木、高山)道路建設課の立田さんが平成13年当時秘書課まちづくり担当で紹介いただいた。

私たちの会はNPOでもボランティアでもない。
平成12年に志津学入門に参加した仲間が13年4月に会を作り毎月集まることとなった。
公民館の方などから「せっかく会を作ったのだから」と誘われてサポート事業に応募。
講座の中で車椅子対応の散策路を調査したグループがあったので車椅子で歩ける散策路の調査をすることにした。

補助があるのでちゃんと現場を見てやろうということで5〜60回調査をした。
せっかくやったのだから発表しようということになり、市民団体では遠い先の予約はできなかったが、公民館が共催いただいて3ヶ月前に予約を行うことができた。
さらにコミュニティセンターで発表し、市職員を対象にも発表した。

平成14年はお休みし、平成15年に臼井の調査を行い、平成16年は定例の集まりだけで、自分たちの楽しみを中心とした会を行っている。

(宮本)

前回お話いただいた後、「楽しみでやっている」と言われていながら、楽しく歩けるようなポイント紹介まで入っていてすばらしいと、大変議論となった。
楽しみの活動でありながら5〜60回も調査をしたのはなぜ?

(鈴木)

コースに該当しそうな道路1本1本について勾配などをすべて調査した。
打ち合わせを行い、調査を行っていると6〜70回の調査になる。
今度サポート事業の制度が変わり自分たちの負担も必要になったことと、同じ団体が何回もということについて意見もあるようなのでまたやるかは決まっていない。

(中邨)

城址公園のボランティアで、城址公園についてこのようなマップを作りたいと考えてはいるが出来ていない。

(高山)

第1回の志津は大変だった。設定したコースではだめでやり直しもあった。
お年寄り夫婦で車椅子を押して行くことを考えて作った。
コースによっては長かったり勾配が少しきついところもある。
そういうところは基本コースと延長コースという作り方にした。
臼井は知り合いのグループに頼んで2コース紹介ビデオを作った。
視聴覚ライブラリーにある。メディアコンクールで入賞した。

道路をこうすればよいのにと思うところもあるが、「こうしてください」と紙に書いて出したのでは、やれることとやれないこともあって困るだろうから、発表会などで「こういうところを直してくれると良くなります」という説明をしている。
たとえば、平らでも車止めが邪魔をしていたり、排水溝のふたの穴の向きによっては前輪がはまったりする問題がある。
夢として「屋形船に車椅子が乗る方法はないか」と思う。
道路原票があるところの改修は難しいようだ。
志津ではかなり直していただいた。

(鈴木)

桜並木の平板舗装のところで周りの土が下がっていて通りにくかったところは、後で見に行ったら土を入れて平らにしてくれていた。
車椅子も通れる標識がある所に8分の1〜9分の1の勾配があり通りづらくなっている部分があり、すぐ近くに通りやすいところがあるので標識を移し他方が良いと話しておいたら、移設してくれていた。

(奥津)

知人に日本バリアフリー協会の人で車椅子で伊豆の調査を行った人がいて、その結果が出版されたところ、問題を指摘されたあちこちのホテルが直し始めたということもある。

(新谷)

会のホームページを数年前に見せてもらって「よくやっているな」と思っていたが、ホームページのレベルと「楽しみでやっている」というギャップに驚かされた。調査をしているときはどんな雰囲気でやっているのですか?

(鈴木)

一年目は意見の対立もあった。和気あいあいでやっているが調査は苦しい。

(新谷)

ウォーキング協会と付き合っているけど、ウォーキング協会はさっさと歩いてしまう。

(鈴木)

実際に利用する人との接触が少なかった。健常者はやはり健常者で、わからないことがある。

(新谷)

印旛沼をいろんな人と歩く機会を作りたい。調査の指南役はいたのですか?

(高山)

指南役はいない。現場を見れば何を調べるか吸収できる。

(鈴木)

レベルは知り合いの業者から借りた。車椅子は障害福祉課からサポート事業として借りた。 ホームページについては楽しんでいただきたいのでトップページは毎月、コース内は季節ごとに写真を入れ変えるようにしている。

(新谷)

城址公園や商店街など一緒にやりたい。

(中邨)

車椅子の人が出ていく場を楽しく造れる。志津公民館の車椅子トイレは後から作ったものだからしょうがないかもしれないが、実際に使おうとすると狭くて使いにくい。

(奥津)

子どもも参加すれば遊び感覚で楽しめる。わくわくするのではないか。

(小坂)

会社に使っていない車椅子が1台あるので使っていただける。

(高山)

ホームページに車椅子で宝珠院に行った行事が載せてある。京成の駅長が同行してくれた。
乗車駅から下車駅までの3駅を一人の駅長が受け持っているので、やりやすかった。
エスカレーターは駅員が二人つく必要があり、1台ずつしか運べないので何人もいると時間がかかり大変。

(宮本)

指導者がいたわけでもなく、楽しみといいながらやってみる中で現地で学び、人と人とのつながりの中で互いに理解を深めているところが素晴らしい。
老夫婦が自分たちで歩けるように楽しみも考えていたので、出来上がった冊子もホームページも気配りが行き届いている。

(鈴木)

屋根から落ちて車椅子になった人がいて、腕が衰えたら出歩けないと言っていた。
駐車場も身障者はドアを大きく開けないと自分で乗り降りできないので広くしてある。

(大場)

まちの見方が変わった。車椅子用のマップだが、乳母車を押している人にも役に立つ。

(鈴木)

車椅子の人が、歩道がないところは(上がっていないので)視線が低くて怖いといっていた。

(宮本)

バリアフリーの議論では歩道の段差は低ければ低いほうが良いという話がされている。怖いというのは見落とされているポイントだ。

(新谷)

車道と歩道はあまり高さの差がないほうが良いと思っている。斜めになって危ない。
道が広ければ段差があったほうが良いと思うが。狭い道路には車は入れてはいけないのかなとも思う。

(鈴木)

警察は目の悪い人のために2センチの段差が必要だといっている。
道路建設課はいろいろ話を聞いて協力してくれる。新しい道路は車椅子が通りやすいものにしたいのかもしれない。

(宮本)

人がゆっくりしていられる道路としてオランダで生まれたボンエルフというのがある。
道をくねらせたり、車道にでこぼこや左右からの出っ張りをつけて、車はゆっくり走るようにしてある。
日本では警察が認めてくれないが、横浜の港北ニュータウンの一部にある。
警察が認めてくれるやりかたとしては、車が走る幅4mの部分はまっすぐ伸びていて、その外でボンエルフと同じ仕掛けをするやり方があり、コミュニティ道路と呼ばれている。
(注:国土交通省が出した新基準案では歩道の高さは5センチとしている。)

散策の会の素晴らしいのは、実際の道路の問題点を具体に指摘できていながら、しかもなお障害者とのふれあいが少なかったと言われているところだ。

(中邨)

ジュネーブに障害者を連れて行ったとき、段差はあるのだけれど少しも困らなかった。段差に来ると手が出てくる。心のバリアーの問題。

(宮本)

オランダについても同じ事を聞いた。何本もの手が同時に出てくるという。

(高山)

歩道をフラットにすると、そこに駐車をされてしまう。

(中邨)

障害者用の場所に停めるとアメリカでは罰金なんです。

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