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このようなお便りを送りつける非礼をお許しください。

世界の人が信頼しあって平和に暮らすことが出来るように、このメールをあなたが知っているすべての人に、あらゆる方法で広めていただくことを、心から願います。

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対イラク戦争がもたらすものと、われわれがなすべきこと

大量破壊兵器開発の隠蔽があったとして、ブッシュ政権の主導によりイラク攻撃が開始されようとしています。

果たして、その攻撃は何をもたらすのでしょうか。

先の湾岸戦争による死者は、多国籍軍が約150人でした。イラク国民の死者についてはさまざまな推計があり、10〜25万人とされています。このほか身体的に、精神的に障害者となった人がいたことを考えると、戦争犠牲者の数は計り知れません。アメリカ軍が劣化ウラン弾を使用していたことが明らかになったが、それによる放射能被害は今後も長く発生します。

湾岸戦争では500億ドルの戦費が費やされたほか、クウェート復興に800億ドルかかったとされています。しかし、これらの額には、多国籍軍がイラク国内で破壊した発電、水道、輸送、病院、住宅等の施設は含まれていません。

世界の兵器産業上位20社のうち14社をアメリカとイギリスが占めています。それらの企業が艦艇、航空機、ミサイル、爆弾をつくり、テレビ中継つきで現代の戦争が行われた。クウェートの復興についても、両国の建設会社がそのほとんどを担ったといいます。

国連査察に対する協力が不十分としてイラク攻撃の議論がされていますが、実際はイラクに対する攻撃はすでに行われています。

アメリカ軍はイラクに設定した飛行禁止区域内で、地上から攻撃を受けたとして防空陣地を破壊していることを公表しています。その証拠としてテレビ放映された映像では、攻撃機の進行方向にある防空陣地から対空砲火の煙が上がり、その直後、ハイテク爆弾が発射されて陣地は吹き飛んだ。これが、飛行禁止区域内における米軍機に対する不法攻撃の証拠といいますのだから唖然としてしまいます。

あなたが「他の陣地が攻撃を受けて次々に破壊されている」ことを聞いて警戒している地上の兵士だとしましょう。ハイテク爆弾を抱えて自分の陣地にまっすぐ飛んでくる攻撃機を双眼鏡で確認したら、対空砲火せずにいられますか?もっとも、防空陣地に向けてまっすぐ進んでいたのだから、地上からの発砲がなくてもハイテク弾は発射されていたはずであり、「攻撃を受けたから」というのはこじつけに過ぎません。

また、「湾岸戦争以降これまで、発電、浄水等の施設に対して継続的に攻撃を行っており、これまでに数千名のイラク人が死傷した。」とする報道もあります。

これから始まろうとしている攻撃は、いったい何をもたらすのでしょうか。

先の湾岸戦争程度の犠牲としても、イラクの人口が約2,400万人であることからすると、国民の100人に1人が死亡し、身体的、精神的受傷者がそれ以上発生します。孤児・難民にいたっては計り知れません。

一方、戦費と戦後の駐留費用だけで500〜2千億ドルと言われています。

復興にいくらかかるかなど知る由もありません。

それらに企業群が群がり、関係国では空前の好景気がもたらされ、その後の選挙で政権政党は史上まれな支持を受けるのかもしれません。

しかし、本当に問題なのは、「この戦争でテロは無くなるのか」ということです。

ブッシュ政権が言うように、イラクが生物・化学兵器などの大量破壊兵器を国外に持ち出したのが事実なら、今後それらの兵器が実際に用いられる恐れが残ります。いや、戦争による生き地獄をすべての国民が味わうことで、「報復」という名の「テロ」が世界を震撼させる恐れは、必然と言ってよいほどに大きいと言えます。

「テロリズム」という言葉で片付けられていますが、イスラエルで繰り返される自爆攻撃や、金融・貿易関係施設への攻撃が海を越えてまで行われるのはなぜでしょうか。すべてが自らの生命と引き換えの攻撃なのです。

イスラエルによる数度にわたるパレスチナへの侵攻、その後に出された国連決議を無視しての占領継続、イスラエル正規軍によるパレスチナ市街地への蹂躙、被弾した市民の救出に向かう救急車の乗員まで狙撃するイスラエル兵の狂気。

こういった行為があなたの住む街で行われているとしたら、正義感に燃えた若者が行動を起こすのはむしろ当然としか言えません。

一般市民を対象とする「テロ」の恐ろしさ、非情さは言うまでも無いですが、こういった状況を正すことができない国際社会への憤りと、イスラエルの核兵器保有を放置したまま、イラクには査察〜攻撃を行うというアメリカの「二重基準」が、欧米対アラブという不信の図式を生み出し、「テロ」を生み出す背景となっていると考えるのは「テロリスト擁護」なのでしょうか。

この状況を放置したままでは、どんなに容赦なくイラクを破壊しつくしたとしても、肝心の大量破壊兵器を用いたテロは収まらないのではないですか?それどころか、イラク国民をはじめ、「二重基準」に反発する人々の憎悪に力を与え、問題を根深くするばかりではないのでしょうか。

本当に攻撃しか残されていないのでしょうか。

今、戦争と駐留に少なくとも1000億ドル、12兆円を費やそうとしています。これだけの資金を平和の構築に用いたら、もっと良い解決があるのではないか。イラク国民の一人一人を、50万円で世界各国が招待して友好を築くこともできるし、世界の人がイラクを訪れて湾岸戦争の爪あとを一緒に復旧することもできるでしょう。また、もっと金はかかるかもしれないが、砂漠を緑化してパレスチナの人々が安心して暮らせる都市を作ることも出来るでしょう。

このような解決策であれば、世界中の人たちが喜んで知恵を出すであろうし、日本はもちろん、イラクもアラブ諸国も、イスラエルも協力し合うことができるに違いません。

そして、これらの行為は決して数十万人の犠牲者を生み出すことも、憎悪の火を世界に散らして、より陰湿で過激なテロを繰り返させることも無いのです。

民族を意のままに支配しようとするのでなく、共に尊敬しあって社会を営むほうが良いと思います。

世界の市民一人一人が持つ知恵と善意を呼び起こし、真の平和をかなえ信頼し合って暮らせるようにすることこそが、悲劇的な自殺攻撃の哀しい歴史を持つわれわれが、過去において他民族に多大な犠牲を強いたことについての贖罪の念をこめて、世界平和のためになすべきことではないでしょうか。

一人の地球市民から、心を絞りだして訴えます・・・・。

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